皮脂に悩む人なら一度は耳にしたことがある皮脂の酸化という言葉。
毛穴の汚れや皮脂の匂いを強める原因となる皮脂酸化は、そのままにしておくとさらなるトラブルを招くことになるのをご存知ですか?
皮脂が酸化することによって引き起こされる可能性のある肌トラブルは
・コメド・ニキビ
・シワ・たるみ
・シミ
・毛穴の広がり・毛穴たるみ
など多岐に渡ります。
これほどに大きな影響力を持つ皮脂酸化をスキンケアで食い止めるには、酸化を防止する物質、抗酸化成分を配合した化粧品でのケアという方法があります。
目次
抗酸化成分配合の化粧品とは
酸化に抗う成分で、抗酸化成分。
呼んで字の如しの成分なんですが、保湿のセラミド、美白のビタミンC誘導体と並んで、美肌に欠かせない定番成分になりつつあるのが、この抗酸化物質です。
美白や抗シワにも効果があると言われるこの抗酸化成分配合化粧品、毛穴の悩みにはどんな働きをしてくれるのでしょうか。
そもそも酸化って、一体どういうことが起こるの?
酸化という言葉は聞いたことがあるという人も多いと思います。
物質が酸素と結合して別の物質に変化することで、なじみ深いところで言えば、鉄が酸素と結合した物質である酸化鉄があります。
酸化鉄は、いわゆる錆びのこと。
元の輝きを失い、強度も著しく下がってしまいます。
肌細胞で言えば、ストレスや紫外線の刺激によって体内で発生する活性酸素の害が有名です。
酸化した肌細胞は、酸化鉄と同じように変色し、硬くなり、周りの細胞を酸化させる触媒になることもあります。
酸化がシミやたるみなど、幅広い害を引き起こすのにはこんな理由があったんです。
このように、物質は酸化すると性質も見た目も劣化してしまいます。
皮脂は顔の表面に広く分泌されていて、酸素に触れやすいので、その分酸化もしやすいんです。
抗酸化物質とはどんな成分?
抗酸化物質とは、文字通り、そんな肌や皮脂の酸化に抗う成分です。
何となく化学合成っぽい響きのある成分の呼び名ですが、それぞれ個別の成分名を聞けば、その正体が見えてきます。
誰もが耳にしたことがある有名な抗酸化物質では、ポリフェノールやカロテン、リコピンなどがあります。
皆さんの頭の中では、今おいしそうなもののイメージが浮かんでいるんじゃないでしょうか。
そう、抗酸化物質は、野菜などの植物に含まれる物質で、天然の成分なんです。
リコピンやポリフェノールにはとても強い抗酸化力がありますが、実はどんな植物にも抗酸化物質は含まれています。
抗酸化物質は、自分で生きる場所を選べない植物が、日光や風などの強いストレスから体を守るために分泌している物質なんです。
ウイルス感染や細菌感染などが起きた場合、人間の体は免疫反応を起こしますが、免疫細胞が細菌などと戦うと、活性酸素が発生します。
そのため、この活性酸素を除去する目的で、人間の体にも抗酸化物質が存在しますが、活性酸素は1種類だけではないので、体内で作る抗酸化物質だけではすべての活性酸素に対抗することができません。
リコピンを含むトマトが健康やびように良いとされたり、βカロテンを含むニンジンが古くから万能薬とされてきたのは、足りない抗酸化物質を補う意味があったんです。
それくらい、抗酸化物質が美容と健康の助けになるということなんですね。
皮脂が酸化して毛穴が黒くなると見た目が悪くなるだけじゃない!
体の中の活性酸素には、このように食べることで回避できることが多いんですが、皮脂は顔の表面を覆っていて、常に酸化の危険にさらされています。
皮脂は毛穴から分泌されて、約5,6時間も経てば酸化してしまいます。
酸化した皮脂は、黒く硬くなり、毛穴や接触している皮膚に刺激を与え、活性酸素を発生させるようになります。
通常、分泌された皮脂は、酸化する前に皮膚に住む常在菌が食べて排泄し、角質層をコーティングする皮脂膜となりますが、分泌量が多いと間に合いません。
余って酸化した皮脂は毛穴に詰まって毛穴の黒ずみとなり、放置すると膨らんで黒ニキビとなり、その内炎症が始まって赤いニキビや化膿した黄色いニキビになってしまいます。
抗酸化成分配合の化粧品は持続時間で選びましょう
皮脂の酸化は分泌から5、6時間で始まります。
朝分泌された皮脂は、昼過ぎには黒くなり始めているということです。
そのため、朝のスキンケアでお昼の化粧直しまで効果が持続してくれる抗酸化成分を選ぶ必要があります。
持続時間が最も長い抗酸化成分というのはデータがありませんが、持続力が高いと言われる松樹脂由来の抗酸化物質フラーレンは、その持続時間が12時間にも及ぶと言われています。
これなら朝晩2回のスキンケアで、しっかり皮脂の酸化を防止できるのではないでしょうか。
その他にも、抗酸化成分の入った化粧水をミスト容器に入れて持ち歩き、メイク直しやあぶらとり紙のお供とするのも皮脂の酸化ケアにおすすめです。